『ビオトピアの四季』 森のアロマ編

自然豊かなビオトピアの森で生まれた精油

ビオトピアは、はるか昔の地殻変動でできた「こゆるぎ丘陵」にあります。「こゆるぎ」は古くは相模国の郡名の「淘綾(ゆるぎ)」が由来で、「大地がゆり上げられたところ」を意味しているそう。富士山や相模湾、足柄平野を望むことができる風光明媚な丘の上にある「ビオトピア」は、気軽に自然を楽しめるおでかけスポットです。

この土地で採れた素材だけで作られているのが、ビオトピアの森から生まれた天然由来成分100%の精油(エッセンシャルオイル。以下、「精油」とのみ表記。)です。精油は、熱や光で酸化しやすく、湿度にも弱いのですが、収穫してすぐにその場で抽出・ボトリングすることで、フレッシュな香りを閉じ込めた鮮度抜群のオイルとなっています。

 

精油(エッセンシャルオイル)とは

精油は、植物が作り出す揮発性の油で、植物が生きていく上で重要な役割を果たすものです。花や葉、樹皮や果実の皮などに蓄えられた精油の香りは、昆虫や鳥を引き寄せます。そうして受粉や種子を遠くまで運ぶのをたくします。また反対に、動物たちが嫌がる成分を分泌することで、害虫やカビから自分を守る働きをすることもあります。精油は植物が生存競争に勝つために作り出すもので、子孫を残すため、害虫から身を守るため、はたまた病気の予防や温度調節のためなど、さまざまな役割を担っているのです。

人間は、古くから色々な方法でこの精油を抽出して利用してきました。世界中の農家でさまざまな植物が精油を抽出するために栽培されています。数滴を抽出するために、何キロという量の植物を使うことも珍しくありません。たとえば、ハーブを生のままハーブティーとして楽しむのなら、ティーポットに入る分量があれば十分ですよね。それに比べて、おおよそ5kgのハーブから抽出できる精油の量は、20~60mlほどです。植物の成分が凝縮された精油の原液は、とても刺激が強いので、必ずユーカリ油などの植物油で希釈して使う必要があります。また、バラの精油のように大量の花びらからわずかしか抽出できないものは、かなり高額になります。

精油は、アロマテラピーで利用されるほか、食品や医療、美容などさまざまな分野で、香料などとして利用されています。

 

水蒸気蒸留法で精油を抽出

かんきつ系の果皮を絞って抽出する「圧搾法」や、溶剤に植物を浸す「溶剤抽出法」など、精油はさまざまな方法で抽出されます。なかでも最もポピュラーなのが、原料となる植物に水蒸気をあてて抽出する水蒸気蒸留法です。水蒸気は植物の分泌腺を破裂させ、植物に含まれる揮発成分は蒸気とともに蒸発します。この蒸気が冷却水で冷やされると、液体に戻り、精油(エッセンシャルオイル)と芳香蒸留水(フローラルウォーター)となって抽出されます。ビオトピアでは、この水蒸気蒸留法で敷地内の植物から精油を抽出しています。

 

 

ビオトピアのハーブガーデンでカモミールの花摘み

カモミール(chamolile)はギリシア語(kamai melon)で「大地のりんご」という意味。小さな白い花びらに触れると、さわやかな甘いりんごの香りが広がります。

ビオトピアのハーブガーデンで育てられているジャーマン・カモミールは無農薬栽培です。収穫もすべて手作業なので、この時期はみんなでお花摘みのお手伝い。一生懸命みんなで収穫しても、抽出できる精油の量はほんのわずかです。そんな貴重な精油を使って、春の森林セラピーでは、バスボム作りのワークショップを行いました。甘い香りが広がるお花畑で、フレッシュなカモミールの花を自分で摘み取ってパックしたハーバルバス作りも。ティータイムには、自分で摘んだカモミールでリフレッシュする、カモミールづくしのワークショップでした。

ジャーマン・カモミールの精油は、摘み取った花から抽出されますが、意外にも、白い花からは想像できないような鮮やかなブルーの精油が抽出されるから驚きです。これは抽出の際に生じるカマズレンという成分によるもの。このように、精油には抽出によって現れる、もともとの植物の成分とは違った特性を持つものもあります。

 

1本ずつナンバリング 貴重なオイル「オニユズヌーボー」

ビオトピアの森で採れる森の恵みの中でも、ひときわ貴重なのは、1年に1度しか収穫できないオニユズを使った精油です。ニッキや月桂樹など、葉や枝から抽出する精油と違い、オニユズの精油は果皮から抽出するので、果実の収穫の時期にしか採れないからです。毎年12月初旬に、採れたてのオニユズの果皮から抽出したオイルをすぐに瓶詰めして、1本1本ナンバリングして販売しています。

ひとつひとつ手でもいだオニユズの皮をむいて、果皮だけを水蒸気蒸留法で抽出します。コンテナ4個分のオニユズから抽出できる精油は40~45mlほど。オニユズの香りはとても酸化しやすく、匂いがすぐに変わってしまいます。熟成して変化した香りも悪くないですが、オニユズのフレッシュな香りが楽しめるのは、採れたてのこの時期だけ。量産できないため、例年1月には完売してしまう人気の精油です。

 

ハーブ栽培からボトリングまで

「アロマ」と名の付く、さまざまな品質の香料が小瓶で売られていますが、ポプリ用の合成香料などもあり、天然の精油と間違えないように注意が必要です。植物の生体内で作られた天然の揮発性物質だけが精油と呼べるのです。

アロマテラピーの人気が高まり、海外から、さまざまな精油が輸入されていますが、国産の原料を使って作られ、国内で抽出される精油はとても貴重なもの。マルシェで買える、ビオトピアの森から生まれた精油「Aroma Oil」シリーズは全6種類。オニユズ、ヒノキ、ニッキ、ローリエ、レモングラス、和ハッカというラインナップ。神奈川県大井町産の植物を100%使用して、すべて手作業で抽出されています。栽培からボトリング、販売までビオトピア敷地内で行われるので、生産者の目が行き届いた手作りの精油となっています。

 

そして忘れてはいけないのが、精油は新鮮なうちに使い切るのが望ましい、ということ。ついつい色々なオイルをコレクションして取っておきたくなってしまいますが、使う時に必要な量の精油を用意するのが正解です。ぜひ作りたてのフレッシュな精油の香りを嗅いでみてください。安価に出回っているものとの違いがわかるはずです。

質の良い精油は、自然の恵みです。植物の生育は気候や土地の地質、降雨量など環境によって左右され、それが精油の品質にも影響するからです。この貴重な精油を生み出してくれるビオトピアの森にも足を運んでみませんか?豊かな自然の中に身を置いて、五感で感じてみてください。

『ビオトピアの四季』 初夏のハーブ園編

自然を楽しむお出かけスポット

アウトドアで自然を感じよう

家で過ごす時間が長くて運動不足、という方や、本格的に暑くなる前にちょっとどこかに出かけたいな、という方も多いかもしれません。ご近所をお散歩もいいですが、せっかくなら、もっと自然を感じられる道を歩いてみませんか?ビオトピアは、はるか昔の地殻変動でできた「こゆるぎ丘陵」にあります。「人混みは避けたい」「車でおでかけしたいけど、駐車場空いてるかな?」「本格的なアウトドアはちょっと敷居が高い」と思っている人にピッタリの「自然を楽しめるおでかけスポット」です。
ビオトピア敷地内の遊歩道「BIOTOPIA “The Way”(森のみち)」は、NPO法人森林セラピーソサイエティから認定を受けた、全国で63番目の「森林セラピーロードⓇ」です。「森林セラピーロードⓇ」は、森林で過ごすことで生理的・心理的に癒されることを目指して整備された道のこと。広場やベンチなどもあって、ゆっくり森を楽しめるようになっています。ただの登山道とは違って、誰でも安心して森の中を歩くことができるので「普段はインドア派」の方にもオススメの遊歩道です。

都内から車で約1時間。駐車場はたっぷり400台分もあるから、入庫待ちで大行列なんてこともないので安心。車を停めたら、さっそく歩き出したいところですが、目の前に広がるのはとっても広大な敷地!どこから回っていいか分からないくらいです。効率的に散策を楽しむなら、やっぱりまずはマップが欲しいですよね。事前にBIOTOPIAのホームページからダウンロードすることもできますが、手ぶらで来ても大丈夫。ビオトピアマルシェに「森林セラピーⓇ」のパンフレットが用意されています。「BIOTOPIA “The Way”(森のみち)」のマップが載っていて、「ショートコース」から「ロングコース」まで、消費カロリーや歩数などで選べる3つのコースがあるので、自分に合ったコースを選ぶことができます。

詳しくはコチラ⇒ 森のみち “The Way” コースマップ

気軽に楽しめるおすすめの散歩コース

ここからお散歩スタート
今回は「ミドルコース」をご紹介します。歩く時間はだいたい30分、歩数は2000歩が目安のコースです。マップを持って、さっそく「森のみち入口」へ。スタートポイントAから出発の「鎮守の森のお社とアロマガーデンをメインとしたルート」を歩いてみましょう。

こんなところに遺跡が!

下り道から始まる、森のみち。しばらく歩くと右手にあるのが「ストーンサークル(環状列石)」です。昭和37年に発見された「金子台遺跡」の一部で、多数の組石からできた古代のお墓の跡です。縄文時代後期のものといわれ、ビオトピアがある神奈川県大井町の指定重要文化財になっています。ビオトピアの丘では他にも「敷石住居跡」や「配石遺跡」が見つかっています。はるか縄文時代に、ここで暮らしていた人びとがいると思うと何か不思議な感じがしますね。

ハーブ園・香木のみち

しばらく歩くと、ハーブが植えられたエリアに到着します。初夏の明るい太陽の下、色鮮やかに咲く花と香りに、魅了されます。この時期はハーブの最盛期で、ガーデンは生命力で満ち溢れています。

ハーブガーデンで初夏に出会えるハーブ

初夏のハーブ園でひときわ目を引くのは何といっても「ベルガモット」です。他にも初夏のハーブ園には、見ごろを迎えたハーブが元気いっぱい育っています。

ベルガモット(モナルダ) Monarda didyma
シソ科の多年草で、料理やティーの他に観賞用としてもひろく育てられているハーブです。
原種の花は鮮やかな緋赤色なので、日本では「たいまつ花」と呼ばれますが、品種がとても多く、ピンク、パープル、ホワイトとさまざまな色の花を楽しむことができ、元気いっぱいに力強く咲く姿は、夏の花壇の主役です。
紅茶好きの方は「ベルガモット」と聞くと、アールグレイの香り付けに使われている柑橘を思い浮かべるかもしれませんが、それとは別のものです。ハーブの「ベルガモット」は、葉が柑橘のベルガモットの香りに似ていて、ハーブティーにするとアールグレイティーに似た風味になるのです。北米の先住民は、これを薬用の健康茶として飲んでいたと言われています。ミツバチがこの花を好むので「ビーバーム(bee balm)」と呼ばれることもあり、爽やかな香りが魅力的なハーブです。


 

高く背を伸ばした「レモングラス」は、ススキのように力強く、夏の日差しを浴びています。「ラベンダー」の香りに気を取られて、あたりを見回すと、「スペアミント」をはじめ「パイナップルミント」、「チョコレートミント」など様々な種類のミントが植えられていて、元気に茂っているのが目に入るでしょう。

眺望の広場

ハーブ園からゆっくり坂道を上っていくと、とうとう「森のみち」の最高地点に到着。見晴らしが良いことから「眺望の広場」と名付けられています。デッキからは相模湾や伊豆の島々まで見えることも。ちょっと腰を下ろして休憩しましょうか。吹き抜けていく風が、とても気持ち良い解放感がある広場です。

奇跡のポプラ

ビオトピアの敷地内で一番背の高い木が鎮守の森の入口にある「ポプラ」の木です。なんと、2回も雷が落ちているのに、枯れることなく伸び伸びと天に向かって立っているのです!木肌にタテに延びる裂け目の跡が痛々しくもあり、力強くもあり…。自然の生命力を感じて、パワーがもらえそうな気がしてきますね。

ビオトピアのパワースポット 吾妻社と鎮守の森

知る人ぞ知る、ビオトピアのパワースポット吾妻社。大きなスダジイの木に覆われたこの社は、歴史好きじゃなくてもよく知られた日本武尊(ヤマトタケルノミコト)がまつられています。そしてその傍には妻の弟橘媛(オトタチバナヒメ)の石像があります。弟橘媛(オトタチバナヒメ)は日本武尊(ヤマトタケルノミコト)の妃で、仲睦まじい2人の物語は夫婦の守り神としての信仰を集めています。

日本武尊(ヤマトタケルノミコト)のおはなし

「古事記」によると、東国遠征のためにやってきた日本武尊(ヤマトタケルノミコト)の一行は、現在の横須賀付近の走水(ハシリミズ)から房総半島側へ渡ろうとしましたが、荒ぶる神によって海が大荒れとなり、船を進めることができずにいました。そのとき、妻である弟橘媛(オトタチバナヒメ)が自ら海に身を投じ海神の怒りを鎮めたおかげで一行は対岸に着くことができた、とか。やがて東国征伐を終えた日本武尊(ヤマトタケルノミコト)が足柄の山頂に着いたとき、海を見下ろして「吾妻(アヅマ)はや…」と、亡き妻を偲びます。こうして日本の東の地方を「あづま(あずま)」と呼ぶようになったと言われているのです。
こんなエピソードを思い浮かべながら、立ち止まって鎮守の森の静けさに耳を澄ませてみると、古代にタイムスリップしたような気持ちになるかもしれませんね。

おうちでもハーブを楽しむのなら

「森のみち」を歩いて、自然の景色と歴史に触れたあとは、せっかくなのでお土産もほしいところですね。帰りにマルシェをぶらぶら見て回るのもオススメです。「ハーブ園で見たハーブを使ってみたいな」と思っても、いきなり自分で育てたりするのは、ちょっとハードルが高いですよね。ビオトピアの森の木々から抽出したオイルや、自然派食品、地元の新鮮野菜などもあって、見ているだけで楽しいビオトピアマルシェには、気軽に自然の恵みを生活に取り入れるヒントがいっぱいあります。

人混みに疲れたら自然の中へ

気軽にお散歩を楽しめるBIOTOPIA「森のみち The Way」。鎮守の森のお社やハーブ園などを散策して、素敵な初夏の1日を過ごしませんか?自然の癒しが体験できる「BIOTOPIA “The Way”(森のみち)」は、人混みを避けて楽しめる「自然派おでかけスポット」としておススメです。

「森林セラピーの楽しみ方」座観のススメ編

 

「森林セラピー」とは

「森林セラピー」は科学的に検証された生理的・心理的効果をともなう一歩進んだ森林浴です。

ストレスを改善し、心を癒す効果が期待されていて、単なるハイキングや気分転換の森林散策とは違います。「森林セラピー」は、歩くことそのものが目的ではないので、きつい登り坂を歩いて汗をかく必要はありません。また、植物や生き物について詳しく観察したり、長々と自然についての講義を受けるわけでもありません。森の中で寝転んだり(森林安息)、座って目を閉じたり(座観)して、「視覚」以外の感覚を研ぎ澄ましていきます。「森林セラピーガイド」と一緒に「森林セラピーロード」を歩くことで、より効果的に森の癒しを体験するのが「森林セラピー」なのです。

ビオトピア敷地内の遊歩道「BIOTOPIA ”The way”(森のみち)」は全国で63番目の森林セラピーロードとして認定されていて、森林浴効果が上がるような散策や運動を行えるように整備されています。

 

 

「座観」とは

「森林セラピー」で行う「座観」とは、森の中で静かに座り、深呼吸して過ごすことです。座観することで、森に漂うフィトンチッドの香り、小鳥のさえずりや虫の羽音、木の葉を揺らす風、花の香り、などの自然をより体全体で感じることができます。

現代の生活の中で私たちは常にさまざまな人工的な刺激にさらされ続けています。人類が地球上に現れて以来、圧倒的に長い時間を過ごしてきた森とはまったく違う環境で生きているのです。感覚器官を通して入ってくるいろいろな刺激は、人間にとってストレスとなっています。私たちは自分を守るために、知らず知らずのうちに感覚を閉じているのかもしれません。

 

五感を開放すること

森林セラピーで大事なのは、五感で感じ、五感を開放すること。五感とは「視覚」「聴覚」「嗅覚」「触覚」「味覚」のことです。

「森林セラピーガイド」は森を案内しながら、「少し止まってみましょう」と言って「座観」へと導いてくれます。五感をバランスよく働かせるためには、立ち止まることはとても効果的です。歩いていても鳥の声や虫の羽音は聞こえますが、森の中で座ってみると木の葉のざわめき、水の流れる音、さまざまな森の音が急に大きく聞こえてくるはずです。普段は無意識のうちに閉じている「聴覚」が、緊張から開放されることで、いろいろな音をひろってくれるようになります。「座観」によって五感を開放することでリラックス効果が生まれ、ヒトが本来もっているチカラを引き出してくれるのです。

 

 

森の中でリラックスできるのはホントのことだった!

 

実際にBIOTOPIAの森林セラピーロードで計測されたデータをみてみましょう。「森林セラピー」によってどんな変化が起こるのか、数値として実感することができます。

 

森林浴で「副交感神経活動」が活性化

 

図はリラックス効果の指標である副交感神経活動≪HF≫の変化を示しています。座観中の森林部において、副交感神経活動が、都市部よりも有意に高い値を示しました。

 

森林浴で「交感神経活動」が抑制

図はストレスの指標である交感神経活動≪LF/HF≫の変化を示しています。座観中の森林部において交感神経活動が、都市部よりも低い値を示しました。

 

 

森林浴で脈拍数が減少

歩行前および歩行後で、脈拍数が森林部で都市部よりも有意に低い値を示しました。森林部では都市部よりリラックス状態になるということを意味しています。

 

森林浴で心理的にリラックス

森林浴歩行・座観後、森林は都市と比較して「快適」の気分が高まり、心理的にリラックスすることがわかりました。

 

「座観のススメ」

仏教の禅の考え方によると「身、息、心を一体にして坐禅になる」と言われ、正しい姿勢、呼吸法、心のあり方が一体になってはじめて「坐った」と言えるのだそう。静かなところで、息をととのえ、決められた作法で座ります。坐禅を知らなくても、わたしたちは気持ちを落ち着かせるために深呼吸をしたりしますよね。「調息(ちょうそく)」と言われる作法では、まず口から息を出し、お腹に力を入れて静かに吐き切ったら、今度はゆっくりと鼻から息を吸います。呼吸は数を数えながら行います。「ひとーつ」で長く息をはき、「ふたーつ」で吸う、という感じでゆっくりと呼吸をととのえていきます。

坐禅に限らず、いろいろな呼吸法がありますが、ゆっくりと呼吸をすることがポイントです。静かな場所でゆっくりと呼吸をととのえると、無駄な心身の緊張をほどいてくれます。

 

 

BIOTOPIAで体験できる森林セラピーでは、ガイドと一緒に森の中を散策します。鳥の声に耳を澄まし、吹き渡る風を感じたり、森の香りや木の幹のごつごつした感じを味わったり。自然に身をゆだねて、森がもたらす「癒し」を味わってみませんか。

 

 

BIOTOPIA 森林セラピー

BIOTOPIA 森林セラピー

森と五感をシンクロさせ、リラックスする森林セラピー

美しいBIOTOPIA台地の森を、森林セラピスト・森林セラピーガイドがゆっくりとご案内し、お客さまの五感を開くお手伝いをいたします。
あなたも忙しい日常から暇をみつけて、一歩進んだ森林浴「森林セラピー」で、“森の恩恵”をいただきにきませんか…

森林セラピーについて

※ 「森林セラピー」、「森林セラピスト」および「森林セラピーロード」は、特定非営利活動法人森林セラピーソサエティの登録商標です。

「森林セラピーの楽しみ方」 “1/fゆらぎ”の癒し編

「1/fゆらぎ」がもたらす癒し効果

1/fゆらぎ
1/fゆらぎ=パワースペクトル(P)が周波数(frequency:f)に反比例

 

「自然」がいちばん心地いい

「1/fゆらぎ」という言葉を聞いたことがありますか? 知らない、という方も、もしかしたら「1/fゆらぎ」の効果を応用した家電製品などを目にしたことはあるかもしれません。海や山など、自然の中で吹くような不規則な風を作り出す扇風機や、日向ぼっこのような温かさのコタツなど、わたしたちが「心地よいと感じる不規則さ」を持つ家電製品は、「1/fゆらぎ」の癒し効果を利用して作られています。

一般的なコタツは、設定した温度が常に保たれるように設計されています。でも、「熱い」と感じたり「ぬるい」と感じたりして、ひんぱんに温度設定ツマミをいじりたくなってしまいませんか。知らず知らずのうちに、わたしたちは、適切な温度が一定に保たれた状態よりも、むしろ変化がある状態を好むようです。

また、扇風機も、送風の向きを固定せずに首振りにしている方のほうが多いのではないでしょうか。一定の風量の風に当たり続けると冷えすぎてしまいますし、だからといって微風だけだと暑いと感じるので、首振りにして強弱をつけた方が心地良く感じます。快適性をもとめて、より自然の風に近い、風量が不規則に変化する「1/fゆらぎ」の風を送る扇風機も開発され、商品化されています。

また、BIOTOPIAで体験できる森林セラピーでは、セラピストが「1/fゆらぎ」を感じるように私たちをリードして、森の持つ癒しの力に気づかせてくれます。

どうやら、わたしたちは、規則的な変化よりも「予測できそうでできない」不確かさを心地よいと感じるようです。

この私たちのカラダやココロが「心地よいと感じる不規則さ」=「1/fゆらぎ」とは、いったい何なのでしょうか?

 

そもそも「ゆらぎ」とは何か

「ゆらぎ」とは、あらゆるモノの空間的・時間的な平均値からのズレ、ランダムな変動のことです。物理学では「揺動(ようどう)」と呼ばれます。実は、この世界に存在するあらゆるモノは「ゆらいでいる」とも言えます。

自然界においては、じっと静止しているモノはありません。あらゆるモノは、時間の経過とともに必ず変化します。その変化には、厳密に言うと必ず不規則な動きを含んでいるのです。それが「ゆらぎ」です。規則正しく見えるものも、実は「ゆらいでいる」のです。

たとえば、精密機器を使って直線を引いたとします。どんどん拡大して厳密に見ていくと、必ず不規則な歪みがあらわれます。

また、物理法則の中で規則的に運動していると思われる、太陽などの天体でさえも、わずかながら不規則な運動を含んでいます。厳密に見ていくと、純粋な理論上の軌跡をとらない微妙な「ゆらぎ」があるのです。

この「ゆらぎ」があるため、わたしたちは「完璧に未来の運動を予測する」ことができません。もちろん、おおよその予測を立てることはできますが、それは計算上の平均値なのです。

現実の世界では、あらゆるモノは平均値のまわりでわずかに変動しています。つまり万物は「ゆらいでいる」と言えます。

 

いろいろな「ゆらぎ」

この「ゆらぎ」にはいくつかのパターンがあります。

ひとつめの「ゆらぎ」は、完全にランダムで予測不能な「白色ゆらぎ」「ホワイトノイズ」と呼ばれるものです。宝くじの当選番号が決まっていくような不規則さであり、予測することが全くできない非常に雑然としたランダムな変化を示します。

ふたつめは、「1/fの2乗ゆらぎ」「ブラウンノイズ」と呼ばれるものです。この「ゆらぎ」は、ある程度の予測が可能で、過去の状態に強く依存する「ゆらぎ」です。コインを投げ、表が出たらプラス1、裏ならマイナス1と、得点をつけていくゲームをグラフにしたとします。縦軸を点数、横軸を回数として何万回も行っていくと、ギザギザとした動きが記されていきます。酔っ払いの千鳥足のようなこの動きは、数理の世界では「ランダム・ウォーク」と呼ばれています。ひとつ前の値を起点としたランダムな変動である「ブラウンノイズ」は為替や株などの分野に応用される「数理ファイナンス」の基礎となるものです。

数理ファイナンス

 

「1/fゆらぎ」とは

そして、このふたつの「ゆらぎ」の中間の性質を持つのが「1/fゆらぎ」です。まったく予測不可能なホワイトノイズと、ある程度予測可能なブラウンノイズの中間の性質を持っています。「1/fゆらぎ」は「予測できそうでできない」偶然性と期待性をもつ「ゆらぎ」で、ピンクノイズとも呼ばれています。

 

身近にある「1/fゆらぎ」

気温や天候は、年間を通しても長い期間で見ても、まったく同じパターンが繰り返されることはありません。でも、ある程度の変動の幅があり、法則性を見いだすことはできます。天気予報が当たることもあれば外れることもあるのは、自然現象である天候は不規則に変化するもの、平均値に基づいた予測から「ゆらぐ」ものだからです。小川のせせらぎや木洩れ日、虫の羽音など、私たちが心地よいと感じる自然における不規則さを数値化して解析すると、その多くが「1/fゆらぎ」を示すことが分かっています。

また、音楽が私たちに与えてくれる安らぎにも「1/fゆらぎ」が隠れています。好みは人それぞれだと思いますが、「音楽」と「騒音」の違いが分からない人はまずいないでしょう。でも物理学的に言えば、「音楽」も「騒音」もどちらも「音」であることに変わりはありません。これはよく考えてみると不思議なことです。私たちが心地よいと感じる音楽の音響振動を調べると、周波数が1/fゆらぎを示すと言われています。音楽は、豊かで複雑に変化し私たちを癒してくれますが、音楽が音楽である共通の性質が「1/fゆらぎ」だという説には驚かざるをえません。

そしてまた、生体のリズムも基本的に「1/fゆらぎ」をしていると言われています。規則正しいリズムを持っていると思われる心拍・呼吸や脳波などの生物電気現象の変動にも「1/fゆらぎ」が見いだされるのです。健康な人の心拍データを解析すると、心拍周期の平均値に対してきれいな「1/fゆらぎ」があらわれますし、神経細胞が発する電気信号の発射間隔も「1/fゆらぎ」を示すことが分かっています。

 

心地よいと感じるのは「1/fゆらぎ」

人は五感(視覚・聴覚・臭覚・味覚・触覚)を通して「1/fゆらぎ」を感じると、生体のリズムと共鳴し、快適感を感じると言われています。いわゆるヒーリングミュージックと言われるものは、「1/fゆらぎ」の理論を応用して作られています。波の音や虫や鳥の声など、自然の中にある「1/fゆらぎ」を持つ音を聞くと、安心感を感じ、リラックスできるというのです。もしかしたら、私たちは、自然と同じリズムを感じることで、人工的な規則性が強いる緊張感から解放されるのかもしれません。

 現代の私たちは、人工的な直線、規則的な造形に囲まれて生活しています。また、自らの生体のリズムではなく、時計が示す時刻に従って行動しています。自然界にはない刺激を受け続けることは人を疲れさせるのでしょう。私たち現代人は、知らず知らずのうちに五感を閉じて、それらのストレスから身を守ろうとしているのかもしれません。

BIOTOPIAで体験できる森林セラピーでは、ガイドと一緒に森の中を散策します。鳥の声に耳を澄まし、吹き渡る風を感じたり、森の香りや木の幹のごつごつした感じを味わったり。自然に身をゆだねて、「1/fゆらぎ」がもたらす「癒し」を味わってみませんか。

 

BIOTOPIA 森林セラピー

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森と五感をシンクロさせ、リラックスする森林セラピー

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※ 「森林セラピー」、「森林セラピスト」および「森林セラピーロード」は、特定非営利活動法人森林セラピーソサエティの登録商標です。