ビオトピアは、はるか昔の地殻変動でできた「こゆるぎ丘陵」にあります。「こゆるぎ」は古くは相模国の郡名の「淘綾(ゆるぎ)」が由来で、「大地がゆり上げられたところ」を意味しているそう。富士山や相模湾、足柄平野を望むことができる風光明媚な丘の上にある「ビオトピア」は、気軽に自然を楽しめるおでかけスポットです。
この土地で採れた素材だけで作られているのが、ビオトピアの森から生まれた天然由来成分100%の精油(エッセンシャルオイル。以下、「精油」とのみ表記。)です。精油は、熱や光で酸化しやすく、湿度にも弱いのですが、収穫してすぐにその場で抽出・ボトリングすることで、フレッシュな香りを閉じ込めた鮮度抜群のオイルとなっています。
精油は、植物が作り出す揮発性の油で、植物が生きていく上で重要な役割を果たすものです。花や葉、樹皮や果実の皮などに蓄えられた精油の香りは、昆虫や鳥を引き寄せます。そうして受粉や種子を遠くまで運ぶのをたくします。また反対に、動物たちが嫌がる成分を分泌することで、害虫やカビから自分を守る働きをすることもあります。精油は植物が生存競争に勝つために作り出すもので、子孫を残すため、害虫から身を守るため、はたまた病気の予防や温度調節のためなど、さまざまな役割を担っているのです。
人間は、古くから色々な方法でこの精油を抽出して利用してきました。世界中の農家でさまざまな植物が精油を抽出するために栽培されています。数滴を抽出するために、何キロという量の植物を使うことも珍しくありません。たとえば、ハーブを生のままハーブティーとして楽しむのなら、ティーポットに入る分量があれば十分ですよね。それに比べて、おおよそ5kgのハーブから抽出できる精油の量は、20~60mlほどです。植物の成分が凝縮された精油の原液は、とても刺激が強いので、必ずユーカリ油などの植物油で希釈して使う必要があります。また、バラの精油のように大量の花びらからわずかしか抽出できないものは、かなり高額になります。
精油は、アロマテラピーで利用されるほか、食品や医療、美容などさまざまな分野で、香料などとして利用されています。
かんきつ系の果皮を絞って抽出する「圧搾法」や、溶剤に植物を浸す「溶剤抽出法」など、精油はさまざまな方法で抽出されます。なかでも最もポピュラーなのが、原料となる植物に水蒸気をあてて抽出する水蒸気蒸留法です。水蒸気は植物の分泌腺を破裂させ、植物に含まれる揮発成分は蒸気とともに蒸発します。この蒸気が冷却水で冷やされると、液体に戻り、精油(エッセンシャルオイル)と芳香蒸留水(フローラルウォーター)となって抽出されます。ビオトピアでは、この水蒸気蒸留法で敷地内の植物から精油を抽出しています。
カモミール(chamolile)はギリシア語(kamai melon)で「大地のりんご」という意味。小さな白い花びらに触れると、さわやかな甘いりんごの香りが広がります。
ビオトピアのハーブガーデンで育てられているジャーマン・カモミールは無農薬栽培です。収穫もすべて手作業なので、この時期はみんなでお花摘みのお手伝い。一生懸命みんなで収穫しても、抽出できる精油の量はほんのわずかです。そんな貴重な精油を使って、春の森林セラピーでは、バスボム作りのワークショップを行いました。甘い香りが広がるお花畑で、フレッシュなカモミールの花を自分で摘み取ってパックしたハーバルバス作りも。ティータイムには、自分で摘んだカモミールでリフレッシュする、カモミールづくしのワークショップでした。
ジャーマン・カモミールの精油は、摘み取った花から抽出されますが、意外にも、白い花からは想像できないような鮮やかなブルーの精油が抽出されるから驚きです。これは抽出の際に生じるカマズレンという成分によるもの。このように、精油には抽出によって現れる、もともとの植物の成分とは違った特性を持つものもあります。
ビオトピアの森で採れる森の恵みの中でも、ひときわ貴重なのは、1年に1度しか収穫できないオニユズを使った精油です。ニッキや月桂樹など、葉や枝から抽出する精油と違い、オニユズの精油は果皮から抽出するので、果実の収穫の時期にしか採れないからです。毎年12月初旬に、採れたてのオニユズの果皮から抽出したオイルをすぐに瓶詰めして、1本1本ナンバリングして販売しています。
ひとつひとつ手でもいだオニユズの皮をむいて、果皮だけを水蒸気蒸留法で抽出します。コンテナ4個分のオニユズから抽出できる精油は40~45mlほど。オニユズの香りはとても酸化しやすく、匂いがすぐに変わってしまいます。熟成して変化した香りも悪くないですが、オニユズのフレッシュな香りが楽しめるのは、採れたてのこの時期だけ。量産できないため、例年1月には完売してしまう人気の精油です。
「アロマ」と名の付く、さまざまな品質の香料が小瓶で売られていますが、ポプリ用の合成香料などもあり、天然の精油と間違えないように注意が必要です。植物の生体内で作られた天然の揮発性物質だけが精油と呼べるのです。
アロマテラピーの人気が高まり、海外から、さまざまな精油が輸入されていますが、国産の原料を使って作られ、国内で抽出される精油はとても貴重なもの。マルシェで買える、ビオトピアの森から生まれた精油「Aroma Oil」シリーズは全6種類。オニユズ、ヒノキ、ニッキ、ローリエ、レモングラス、和ハッカというラインナップ。神奈川県大井町産の植物を100%使用して、すべて手作業で抽出されています。栽培からボトリング、販売までビオトピア敷地内で行われるので、生産者の目が行き届いた手作りの精油となっています。
そして忘れてはいけないのが、精油は新鮮なうちに使い切るのが望ましい、ということ。ついつい色々なオイルをコレクションして取っておきたくなってしまいますが、使う時に必要な量の精油を用意するのが正解です。ぜひ作りたてのフレッシュな精油の香りを嗅いでみてください。安価に出回っているものとの違いがわかるはずです。
質の良い精油は、自然の恵みです。植物の生育は気候や土地の地質、降雨量など環境によって左右され、それが精油の品質にも影響するからです。この貴重な精油を生み出してくれるビオトピアの森にも足を運んでみませんか?豊かな自然の中に身を置いて、五感で感じてみてください。
アウトドアで自然を感じよう
家で過ごす時間が長くて運動不足、という方や、本格的に暑くなる前にちょっとどこかに出かけたいな、という方も多いかもしれません。ご近所をお散歩もいいですが、せっかくなら、もっと自然を感じられる道を歩いてみませんか?ビオトピアは、はるか昔の地殻変動でできた「こゆるぎ丘陵」にあります。「人混みは避けたい」「車でおでかけしたいけど、駐車場空いてるかな?」「本格的なアウトドアはちょっと敷居が高い」と思っている人にピッタリの「自然を楽しめるおでかけスポット」です。
ビオトピア敷地内の遊歩道「BIOTOPIA “The Way”(森のみち)」は、NPO法人森林セラピーソサイエティから認定を受けた、全国で63番目の「森林セラピーロードⓇ」です。「森林セラピーロードⓇ」は、森林で過ごすことで生理的・心理的に癒されることを目指して整備された道のこと。広場やベンチなどもあって、ゆっくり森を楽しめるようになっています。ただの登山道とは違って、誰でも安心して森の中を歩くことができるので「普段はインドア派」の方にもオススメの遊歩道です。
都内から車で約1時間。駐車場はたっぷり400台分もあるから、入庫待ちで大行列なんてこともないので安心。車を停めたら、さっそく歩き出したいところですが、目の前に広がるのはとっても広大な敷地!どこから回っていいか分からないくらいです。効率的に散策を楽しむなら、やっぱりまずはマップが欲しいですよね。事前にBIOTOPIAのホームページからダウンロードすることもできますが、手ぶらで来ても大丈夫。ビオトピアマルシェに「森林セラピーⓇ」のパンフレットが用意されています。「BIOTOPIA “The Way”(森のみち)」のマップが載っていて、「ショートコース」から「ロングコース」まで、消費カロリーや歩数などで選べる3つのコースがあるので、自分に合ったコースを選ぶことができます。
詳しくはコチラ⇒ 森のみち “The Way” コースマップ
ここからお散歩スタート
今回は「ミドルコース」をご紹介します。歩く時間はだいたい30分、歩数は2000歩が目安のコースです。マップを持って、さっそく「森のみち入口」へ。スタートポイントAから出発の「鎮守の森のお社とアロマガーデンをメインとしたルート」を歩いてみましょう。
下り道から始まる、森のみち。しばらく歩くと右手にあるのが「ストーンサークル(環状列石)」です。昭和37年に発見された「金子台遺跡」の一部で、多数の組石からできた古代のお墓の跡です。縄文時代後期のものといわれ、ビオトピアがある神奈川県大井町の指定重要文化財になっています。ビオトピアの丘では他にも「敷石住居跡」や「配石遺跡」が見つかっています。はるか縄文時代に、ここで暮らしていた人びとがいると思うと何か不思議な感じがしますね。
しばらく歩くと、ハーブが植えられたエリアに到着します。初夏の明るい太陽の下、色鮮やかに咲く花と香りに、魅了されます。この時期はハーブの最盛期で、ガーデンは生命力で満ち溢れています。
初夏のハーブ園でひときわ目を引くのは何といっても「ベルガモット」です。他にも初夏のハーブ園には、見ごろを迎えたハーブが元気いっぱい育っています。
ベルガモット(モナルダ) Monarda didyma
シソ科の多年草で、料理やティーの他に観賞用としてもひろく育てられているハーブです。
原種の花は鮮やかな緋赤色なので、日本では「たいまつ花」と呼ばれますが、品種がとても多く、ピンク、パープル、ホワイトとさまざまな色の花を楽しむことができ、元気いっぱいに力強く咲く姿は、夏の花壇の主役です。
紅茶好きの方は「ベルガモット」と聞くと、アールグレイの香り付けに使われている柑橘を思い浮かべるかもしれませんが、それとは別のものです。ハーブの「ベルガモット」は、葉が柑橘のベルガモットの香りに似ていて、ハーブティーにするとアールグレイティーに似た風味になるのです。北米の先住民は、これを薬用の健康茶として飲んでいたと言われています。ミツバチがこの花を好むので「ビーバーム(bee balm)」と呼ばれることもあり、爽やかな香りが魅力的なハーブです。
高く背を伸ばした「レモングラス」は、ススキのように力強く、夏の日差しを浴びています。「ラベンダー」の香りに気を取られて、あたりを見回すと、「スペアミント」をはじめ「パイナップルミント」、「チョコレートミント」など様々な種類のミントが植えられていて、元気に茂っているのが目に入るでしょう。
ハーブ園からゆっくり坂道を上っていくと、とうとう「森のみち」の最高地点に到着。見晴らしが良いことから「眺望の広場」と名付けられています。デッキからは相模湾や伊豆の島々まで見えることも。ちょっと腰を下ろして休憩しましょうか。吹き抜けていく風が、とても気持ち良い解放感がある広場です。
ビオトピアの敷地内で一番背の高い木が鎮守の森の入口にある「ポプラ」の木です。なんと、2回も雷が落ちているのに、枯れることなく伸び伸びと天に向かって立っているのです!木肌にタテに延びる裂け目の跡が痛々しくもあり、力強くもあり…。自然の生命力を感じて、パワーがもらえそうな気がしてきますね。
知る人ぞ知る、ビオトピアのパワースポット吾妻社。大きなスダジイの木に覆われたこの社は、歴史好きじゃなくてもよく知られた日本武尊(ヤマトタケルノミコト)がまつられています。そしてその傍には妻の弟橘媛(オトタチバナヒメ)の石像があります。弟橘媛(オトタチバナヒメ)は日本武尊(ヤマトタケルノミコト)の妃で、仲睦まじい2人の物語は夫婦の守り神としての信仰を集めています。
日本武尊(ヤマトタケルノミコト)のおはなし
「古事記」によると、東国遠征のためにやってきた日本武尊(ヤマトタケルノミコト)の一行は、現在の横須賀付近の走水(ハシリミズ)から房総半島側へ渡ろうとしましたが、荒ぶる神によって海が大荒れとなり、船を進めることができずにいました。そのとき、妻である弟橘媛(オトタチバナヒメ)が自ら海に身を投じ海神の怒りを鎮めたおかげで一行は対岸に着くことができた、とか。やがて東国征伐を終えた日本武尊(ヤマトタケルノミコト)が足柄の山頂に着いたとき、海を見下ろして「吾妻(アヅマ)はや…」と、亡き妻を偲びます。こうして日本の東の地方を「あづま(あずま)」と呼ぶようになったと言われているのです。
こんなエピソードを思い浮かべながら、立ち止まって鎮守の森の静けさに耳を澄ませてみると、古代にタイムスリップしたような気持ちになるかもしれませんね。
「森のみち」を歩いて、自然の景色と歴史に触れたあとは、せっかくなのでお土産もほしいところですね。帰りにマルシェをぶらぶら見て回るのもオススメです。「ハーブ園で見たハーブを使ってみたいな」と思っても、いきなり自分で育てたりするのは、ちょっとハードルが高いですよね。ビオトピアの森の木々から抽出したオイルや、自然派食品、地元の新鮮野菜などもあって、見ているだけで楽しいビオトピアマルシェには、気軽に自然の恵みを生活に取り入れるヒントがいっぱいあります。
気軽にお散歩を楽しめるBIOTOPIA「森のみち The Way」。鎮守の森のお社やハーブ園などを散策して、素敵な初夏の1日を過ごしませんか?自然の癒しが体験できる「BIOTOPIA “The Way”(森のみち)」は、人混みを避けて楽しめる「自然派おでかけスポット」としておススメです。
フォトスポット巡りもラクラク楽しく
秋晴れの日。今まで気になってた電動アシスト自転車「トライク」を借りてみることに。
ガーデニングショップ「レドアベール」に申し込みに行ったら、店員さんがマルシェ入口に案内してくれて、ズラリと並んだ「トライク」とご対面。
初めてだって伝えたら、ていねいに乗り方も教えてくれたよ。
「トライク」は前輪が2つの電動3輪車。前輪が連動して動くようになっていて、斜面でも車体は垂直に保たれるし、急カーブや滑りやすい路面にも強いんだって。
カワイイ見た目に惹かれてたけど、機能性を考えてのデザインだったなんて!
坂道もガタボコ道もあるビオトピアの丘を巡るのに、これは強い味方だね。
それにマップも見ておいた方がいいよね。さあ、準備ができたら、秋のBIOTOPIA巡りに出発!
大きな大きな2本の銀杏の木
目の前に飛び込んできたのは黄色に色付いた一対の大銀杏!
向かって左が雌株で、右が雄株という2本の大木は、ホントに仲の良い夫婦みたい。
もともとは街路樹として皇居前の丸の内警察署横に植えられていたそう。
昭和になって、地下鉄の出口工事が行われるときにこの地に移植されたとか。
仲良く夫婦そろってこの地に来てから半世紀。街路樹だったらきっとこんなに大きくなれなかったよね。
まさに、ビオトピアの秋の主役の大銀杏!
秋の森の向こうに見える富士山
ちょっとトライクを停めて、歩いて森を散策してみよう。ほら、静かな秋の世界が広がっているよ。
そして…目の前が開けた富士見の広場からは富士山の姿が。秋晴れの空に凛とそびえる富士山。
ビオトピアの丘から、こんなにキレイに富士山が見渡せる場所があるなんて知らなかった。
ビオトピアのメインストリートを彩る紅葉
またトライクに乗って、もっとメインストリートを下って行こう。
あ、紅葉!ちょっと止まって!写真撮りたいから。本当、キレイだね。
まるで黄色のカーペット
さあ、着いたよ。銀杏並木。あ、銀杏の葉っぱでまるで一面黄色いカーペットのよう。
見てみて、ぎんなんも落ちてる!時間が経つのを忘れてしまいそう。並木の中で秋をカラダいっぱい感じてるよ。
「トライク」返却 のんびりお茶でも
「トライク」は電動アシストだから、坂道もラクラク。マルシェまでの帰りの坂道も余裕でサイクリングを楽しめたよ。
「トライク」を返却したら、ちょっと一休み。
マルシェの中にある幸修園カフェでお茶にする?動いたからソフトクリームもイイね。
抹茶と…甘酒ソフトクリームだって!初めて食べたけど、おいしい!この味、ハマっちゃうかも!
ドッグランの木も紅葉してるね
マルシェでお買い物もしたし、外をぐるっと回って帰ろうか。
小型ドッグランのまわりの木も紅葉してるね。
へえ、カイノキっていうんだ。キレイだね。
今度はワンちゃんも連れてこようか。
季節ごとにいろんな景色が楽しめるから、何度来ても楽しいよね。
※紅葉スポットの色付き具合・最新情報はビオトピアSNSをチェック!