2023 . 2 . 17
桜と日本人の関わりは古く、稲作が始まった弥生時代には、桜が満開になる頃が稲作を始める時期と一致することから、田の神が桜の花びらに宿り守ってくれると信じられていました。日本にもともとあった野生種のほか、ソメイヨシノをはじめとした栽培品種が300種以上あります。
品種によって花びらの数はさまざまで、一重咲(5枚)、半八重咲(6~15枚程度)、八重咲(20〜70枚程度)、菊咲(100枚以上)と呼ばれます。
いわゆる「ヤエザクラ(八重桜)」や「シダレザクラ(枝垂れ桜)」は、桜の品種名ではありません。「ヤエザクラ(八重桜)」は、花びらの数が八重咲の桜、という意味なので、色もかたちもさまざまな八重桜があります。また、ホルモンの影響で枝が硬くならずに伸び続けた桜は、次第に重力に耐えられなくなって枝垂れるようになり、「シダレザクラ(枝垂れ桜)」と呼ばれます
春になると「桜前線」「桜の開花情報」が天気予報とともに紹介されるほど、桜の開花は日本人にとって大きな関心事ですが、この開花予想にはソメイヨシノが使われています(沖縄や北海道など一部地域を除く)。それはソメイヨシノが、日本に植えられている桜のおよそ8割を占め、遺伝的にほぼ同じクローンであるからです。
同じ遺伝情報を持っているということは、気候の変化に対する反応もほぼ同じになり、異なる場所に植えられていても、同じタイミングで開花するのです。また、全国どこにでも植えられているので、データも集めやすいと言えます。2023年開花状況もすでに気象庁から発表されています。
2月中旬に咲く河津桜(カワヅザクラ)は、伊豆半島の河津町で見つかったカンヒザクラとオオシマザクラの自然雑種です。
カンヒザクラは濃い紅色の桜で、1月頃に「日本で最初に咲く桜」として、沖縄での開花が報道されます。オオシマザクラは伊豆諸島が原産で、白く大きな花をつけます。
この2つから生まれた河津桜(カワヅザクラ)は、大きくて濃い桃色の花が特徴で、ビオトピアでも、梅の開花と競うように2月頃、春一番に開花します。
「春めき桜」は神奈川県南足柄市で、2000年に品種登録された桜で、樹高が低く、目線の先で花を見ることができます。かたまってボール状に咲く、かわいらしい桜で、桜には珍しく花に香りがあります。ビオトピアでは3月中旬頃になると、敷地内を南北に走る大通り沿いで見ることができます。
鬱金(ウコン)は江戸時代に人の手から作られたと思われる栽培品種です。萌黄色の花がウコン染めの布の色に似ていることから名付けられたそう。珍しい黄色の桜は、清酒メーカーの社名の由来にもなっています。
御衣黄(ギョイコウ)は、黄緑色に緑色のすじが入る珍しい花色をしています。昔の貴人が着用する衣服の色に見立てて名付けられました。古くから栽培されていて、シーボルトが持ち帰った江戸時代の標本も残っています。
「ウコン」も「ギョイコウ」も、ビオトピアの桜パークで見ることができます。ソメイヨシノが咲き終わった4月中旬から下旬頃に満開になります。この時期の桜パークは紅華(コウカ)や松月(ショウゲツ)、関山(カンザン)などの色とりどりの八重桜が満開になり、とても華やかです。
ビオトピアのある神奈川県大井町の隣に位置する秦野市の千村地区は、八重桜の里として知られ、桜の花の塩漬けに使われる食用桜花の一大産地です。「関山(カンザン)」や「普賢像(フゲンゾウ)」などを使った桜の塩漬けの生産量全国一を誇っています。
桜餅を包む桜葉は、厚くて毛がないオオシマザクラの葉が使われます。5月から8月にかけて1枚ずつ手作業で摘み取られ、大樽で半年から1年ほど塩漬けされます。桜の葉は、クマリンという芳香成分を含んでいて、塩漬けにすると独特の良い香りを放ちます。漬け上がった葉は芳香が強く、しっとりとした鼈甲色に仕上がります。
敷地内各所を巡って桜の花を見て癒されたり、桜スイーツを楽しんだり、「食」「運動」「癒し」で桜を満喫できる桜のフェアを2023年2月22日(水)~4月9日(日)まで開催。ビオトピアは、東京ICから車で50分という好立地。お花見ドライブにもオススメです。
▶︎ビオトピアの桜フェア2023年2月22日〜2023年4月9日
▶︎ビオトピアのインスタグラム(最新の開花情報を発信中)
2023年2月11日(土)〜3月12日(日) 第24回まつだ桜まつり
園内の河津桜は「関東の富士見百景」に選定されている。
小田原桜まつり(3月上旬〜4月上旬)
夜桜のライトアップがある。「日本のさくら名所100選」に選定されている。
※詳細は各施設にお問い合わせの上、お出かけください。